善光寺境内の竹垣一新 長野の造園業者ら奉納
4月5日からの御開帳を控えた長野市の善光寺境内の竹垣が一新され、12日、造園業者らが奉納した。この道56年の竹細工職人、小出九六生(つむお)さん(74)=長野市=が、同市などの造園業者約50社の若手職人ら延べ約200人を指導し、3種類の竹垣を整備。大勢の参拝者に日本の伝統文化の良さを知ってほしい-との思いを込めた。
本堂前の松を囲む竹垣は、直径10センチ余の肉厚な孟宗(もうそう)竹の根元を使った「瑞竹垣(ずいちくがき)」で、「重厚な本堂に合わせて力強さを表現した」と小出さん。親鸞聖人像の背後の「山なみ垣」は曲線が山並みのように上下し、植え込みなどの周りに配した「麻の葉垣」は六角形の格子が連続する。3種類の総延長は260メートルに及んだ。
小出さんによると、全国の名刹(めいさつ)にはそれらしい竹垣があるが、善光寺らしいと言える竹垣はなかった。このため御開帳を契機に竹垣づくりを提案。昨年6月に長野造園事業協同組合とNPO法人長野市環境緑化協力会が竹垣奉納実行委員会を設立。善光寺と設置場所などを話し合い、今年2月4日から今月7日に完成するまでのほぼ毎日、職人が入れ替わりで作業に当たった。
1カ月余の作業は、若手が小出さんの技術を習得する場に。造園に携わって5年の清水浩二さん(24)=同市=はこれまで年に数回、竹を井の字型に組むような簡単な竹垣を作ったことはあったが、今回のような複雑な竹垣は初めて。「編み方を覚えることと、どうやってきれいに仕上げるかを考える毎日だった」といい、「いつか、善光寺の竹垣と同じものを-と依頼が入ったらやってみたい」と話した。
小出さんは「脇役ながら庭に趣を添える竹垣の良さと、竹の扱い方を若い人に伝えられた」と晴れ晴れとした表情。「自分も作業中に、参拝の外国人から『ワンダフル』と竹垣をほめられ、元気をもらった」と笑った。
