2009年4月 1日
回向柱「勇気」願う筆 びんずるさんも修復終える
空、風、火、水などを表す梵字を回向柱に書き入れる大勧進の小松玄澄貫主
善光寺本堂に安置されたびんずる尊者像。読経の中、覆いの布が外された
長野市の善光寺で1日、5日に始まる御開帳のシンボルとなる回向(えこう)柱に梵字(ぼんじ)などが書き入れられた。この日は、修復を終えた「びんずる尊者像」も再び本堂に安置され、7年目に1度の御開帳を迎える雰囲気がさらに高まった。
梵字は同寺住職の小松玄澄・大勧進貫主が書き入れた。貫主は本堂西側の特設テントで、かんな掛けを終えた長さ10メートル、45センチ角の柱の上に正座。仏教で宇宙の構成要素とされる「空」「風」「火」「水」「地」を表す梵字や前立本尊の厨子(ずし)を開けることを知らせる漢字を正面に大きな筆でゆっくりと書いた。ほかの3面にも「国家豊寧」「光明遍照」などの文字を書き入れ、3日に建立する。
小松貫主は「柱に触れることで不況を乗り越える勇気を持ってもらいたいと念じて書きました」と話していた。
びんずる尊者像は、1月に東京芸大(東京)に運ばれていた。触れると病気やけがが治るとされ、参拝者に長年なでられて傷んだことから修復。パテで埋めてあった左手首や欠けた右手の指などにヒノキをあてがい、周囲の色と変わらないように染めた。調査では、像の中に昔の貨幣が入っていることも判明。像のすき間から参拝者が入れたらしい。
修復に当たった同大大学院博士課程2年の吉水快聞(よしみずかいもん)さん(26)は「参拝者になでられることを考慮して、通常の文化財を修復する際より強固に接着した」と出来栄えに満足そう。安置後に早速、「また、お世話になります」と言いながら像をなでた長野市内の女性(72)は「以前の姿と変わりなくてほっとした」と話していた。
(提供:信濃毎日新聞)
