2009年4月18日
高野山から善光寺へ550キロ 中野の僧侶が踏破
善光寺の山門前で信徒らの歓迎を受ける川口三国さん
和歌山県の高野山から中野市の勝徳院に向けて徒歩の旅を続けている同院副住職の川口三国(さんごく)さん(27)が17日、約550キロを歩き通して御開帳が開かれている善光寺(長野市)に到着した。かつて高野山から布教のため全国に散った「高野聖」と呼ばれた僧たちに自らを重ね、高野山大学大学院を修了するとともに歩き始めて約1カ月。善光寺で待ち受けた家族や同院信徒のほか、御開帳の参拝者からも温かい祝福を受けた。
昨年夏、高野聖が全国に散る前には善光寺を参拝していたと聞き、旅を思い付いた。同院住職の父、真勝(しんしょう)さん(62)からも「それは面白い。やってみろ」と励まされた。3月15日に大学院の卒業式を終えると、着替えや寝袋を入れた竹かごを背負い、つえを手に出発した。
高野山で過ごした7年間では、50日間に真言を百万遍唱える荒行を成し遂げたこともあるが、歩き初めは足にまめができ、「ひざも腰もがたがたになった」と三国さん。宿が見つからず、無人駅で一夜を過ごしたり、夜通し歩いたりしたこともある。声を掛けられた人と話が弾み、自宅に招かれて食事を振る舞われたり、泊めてもらったこともあった。三国さんは「こんなご時世に、自分という人間を信じてもらえたことがうれしかった。人との縁の大事さをあらためて感じた」と話す。
18日は、旅の仕上げとして同院までの20キロ余を妻の未紗さん(25)と歩く。これからは信徒の悩みや不安を受け止める勤めが始まる。
(提供:信濃毎日新聞)
