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御開帳の中間決算 人出は過去最高ペース

雨の中、参拝客が埋め尽くした善光寺参道。人出は前回を上回っている=25日午後

 善光寺(長野市)の御開帳は25日、前半の重要行事である浄土宗の中日庭儀(ちゅうにちていぎ)大法要が営まれ、2カ月の日程も半ばに差しかかった。「百年に一度」と言われる不況下、前回2003年に「1035億円」(長野経済研究所など調べ)に及んだ「御開帳効果」への地元の期待は大きい。今のところ、人出は前回を上回り、宿泊客も伸びているが、参道沿いの商店、波及効果を見込んだ県内自治体はまだ十分な手応えを感じていない様子。一足早い「中間決算」をまとめてみると-。
 【人出】善光寺事務局によると、5日の開幕から、速報値がまとまっている23日まで19日間の参拝者数は計175万8000人。56日間で計628万人と、過去最高となった前回同時期を5%ほど上回っている。
 今回の19日間で最も人出が多かったのは、2回目の日曜日だった12日と、市内で長野オリンピック記念長野マラソンが開かれた19日で、いずれも20万人。「好天も重なり、いいスタートが切れた」と同事務局。
 3月末に始まった高速道路の「千円乗り放題」の効果や、高遠城址(じょうし)公園(伊那市)など県内外の花の名所が例年より早めに見ごろを迎えたことによる"相乗効果"も、序盤の人出増に影響したと分析。その上で、同事務局は仏様にお祈りして不況を何とかしてほしい-というよりも「暗い話題が多い中で、御開帳の平和でやわらかいイメージが好まれたのでは」としている。
 【市内への影響】ながの観光コンベンションビューロー(長野市)が長野市内の主なホテルから聞き取った客室稼働率は、今月9日時点で前回同時期より平均で10ポイント近く上昇。「宿泊して(朝の法要の)お朝事に出るスタイルが定着したのでは」。長野駅前のホテルメトロポリタン長野は「通常の月と比べれば20ポイント近い伸び」という。
 ただ、地元商店には人出の伸びが売り上げの伸びにつながっていないとの声も。にぎわう門前の仲見世通りで、土産物店の店主らは「人は多いが財布のひもは固い」「買ってもらえるのは単価が千円以下の安い商品」と嘆く。中央通りのカフェ店長(32)は、御開帳中に店の2階をギャラリーにするなど誘客を図るが、「参拝者はせかせか歩いていってしまう」と苦笑い。
 長野公共職業安定所(長野市)には御開帳関連で23日までに10件計32人の求人が出され、わずかだが雇用創出効果も。ただ、食堂や旅館のスタッフ、駐車場の警備員など短期雇用で、就職に至ったケースは少ないという。
 【周辺】長電バス(長野市)が、善光寺と上高井郡小布施町間で1日往復8便運行しているシャトルバス(往復千円)の利用者は、前回同期比2・6倍の大幅増。高速道料金割引の恩恵で町内にマイカーを止めてバスを使う人が多いよう。
 長野市に近い戸倉上山田温泉(千曲市)や湯田中温泉(下高井郡山ノ内町)の旅館やホテルも順調に客が増加。戸倉上山田温泉のある旅館は「前年同期比で5割ほど宿泊客が増えた」。大型連休中も満室になっているという。
 これに対し、松本市からはため息交じりの声。昨秋、県営松本空港からの直航便がある福岡市で、長野市と共同で御開帳をPRしたが空港利用者は増えていない。「市内宿泊施設の利用もあまり変化がない」(松本商工会議所)といい、松本市は25日、ミス松本を善光寺門前の商業複合施設に"派遣"。観光パンフレットを配り、てこ入れを図った。

(提供:信濃毎日新聞