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05月09日(土)午前09時30分

百回忌経た袈裟衣でお勤めへ 大本願副住職、浄土宗の中日庭儀大法要 信毎御開帳ニュース

2015050903
 善光寺大本願副住職鷹司誓栄(たかつかさせいえい)さん(52)が、9日に行われる浄土宗の中日庭儀(ちゅうにちていぎ)大法要で、103年前に56歳の若さで亡くなった第118世勧修寺勇心(かじゅうじゆうしん)上人の袈裟(けさ)衣をまとう。大法要は御開帳の重要行事の一つ。激動期の善光寺と大本願を陰で支えながら住職在任は1年余と短く、資料がほとんど残っていない勇心上人に対し、深く思いをいたしてのお勤めになる。
 誓栄さんは大法要で、導師の大本願住職、第121世鷹司誓玉(せいぎょく)上人(85)を補佐する。勇心上人着用と伝わる袈裟は、鮮やかな赤の絹地に金糸で菊や牡丹(ぼたん)、桔梗(ききょう)をあしらっている。大本願によると、1912(明治45)年の御開帳の時に身に着けたとみられるが、上人は長患いが悪化し、同年6月に亡くなった。
 大学院で明治前後の仏教を研究していた誓栄さんは、2006年に大本願に入り、勇心上人の存在を知った。
 廃仏毀釈(きしゃく)が吹き荒れた明治初頭、身にまとう袈裟は取ることができても心の袈裟をはぎ取ることはできない―と述べて、善光寺を守った第117世誓円(せいえん)尼公上人(1828〜1910年)の陰に隠れがちだが、「その活躍の裏には、地道にお勤めをしていた勇心上人の存在もあったはず」(誓栄さん)。布教に熱心だったと伝わる一方、肖像すら定かでない勇心上人の袈裟に誓栄さんは心引かれた。
 前回09年の中日庭儀大法要で着用する予定だったが、本降りの雨で断念。その後百回忌を経て迎えた今回の御開帳は「100年を経た貴重な袈裟を身に着けられる最後の機会になるかもしれない」と誓栄さんは心している。
 9日の中日庭儀大法要は、一山住職ら総勢500人以上の行列が午前10時に大本願を出発。回向(えこう)柱前の庭儀式は午前11時から執り行う。
写真説明:中日庭儀大法要で着用予定の袈裟が載った図録を手にする誓栄さん

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