善光寺御開帳を知る

御開帳とは

七年に一度、絶対秘仏である御本尊の御身代わり 「前立本尊」(鎌倉時代・重要文化財)を本堂にお迎えして行う「善光寺前立本尊御開帳」。
仏都の春、御仏とのありがたいご縁が生まれます。

善光寺の御本尊「一光三尊(いっこうさんぞん)阿弥陀如来」は、ひとつの光背の中央に阿弥陀如来、向かって右に観音菩薩、左に勢至菩薩が並ぶ、善光寺独特のお姿をされています。白雉5(654)年以来の絶対秘仏であり、鎌倉時代に御本尊の御身代わりとして「前立本尊」が造られました。普段は御宝庫に安置されていますが、七年に一度の御開帳の時だけ、特別にお姿を拝むことが叶います。
前立本尊中央の阿弥陀如来の右手に結ばれた金糸は五色の糸に変わり、白い「善の綱」として、本堂前の回向柱に結ばれます。その回向柱に触れることは、前立本尊に触れるのと同じこと。ここにありがたいご縁が生まれ、その功徳ははかりしれません。

善光寺御開帳の写真

回向柱に触れて 如来さまとのありがたい結縁

回向柱とは、御開帳期間中に本堂前に立てられる高さ約10mの柱です。前立本尊の御手と「善の綱」によって結ばれるため、回向柱に触れることは前立本尊に触れるのと同じ御利益があるといわれます。

松代から寄進される回向柱

300年余の歴史、脈々と今に

宝永4(1707)年に現本堂が再建された際、松代藩が幕府から普請の監督を任されました。それが縁となり、回向柱は現在まで300年余にわたって松代から寄進されています。

松代から善光寺へ

回向柱は、大名行列や姫行列とともに松代町を練り歩いた後、善光寺にやってきます。途中引き綱に触ると御利益があるといわれ、沿道にはたくさんの人がつめかけます。

斧で切る写真 奉納行列の写真